★風神・雷神・変神2
〈前編

 


変神(土神)があの小さな島
去ってから、十年の月日
流れておりました。  

風神も雷神もあいかわらず
くちゲンカしながらですが
島のみんなを守っており 
ました
。        


 


「ピ〜ピ〜・・ピ〜・・・・・」
 
島では、小さなへびに似た土モノが散歩しています。

土モノというのは・・・・・
変神がこの島に残した土でできたケモノたちのことです。
彼らの姿形はさまざまですが、みな土色の体をしています。

ふと、小さな土モノが辺りを見渡すと花が枯れてきています。
この辺りは日陰もなくとても暑いのです。

「ハァ・・ハァ・・・・  ピィー!・・・・」


あまりの暑さで、小さな土モノはひからびてちりになって
しまいました。異変がこの島にも近づいてきたのです。 





そんなころ、雲の上で風神と雷神は相談しておりました。
「なぁ、雷神よ・・・最近のこの暑さはなんだろうか。」

風神が汗をたらしながら、つぶやきました。
「暑けりゃ、そよ風を吹かせばよかろう。風神なんだから。」

「・・それがな。風を吹かせたところですぐに熱風になっちまう。
 だからよ・・ここはひとつ大雨でも降らしちゃくれまいか。」

雷神はこれを聞いてちょっと困ってしまいました。

「・・それがな。雨雲を呼んでも雨を降らすまえに消えちまうぜ。
 しぼむようにさ・・・。」


ふたりの頭上には、荒れ狂ったようにまばゆい太陽
が近づいていました。           

「まさか・・お日さんの暴走が始まったのか?!」



風神と雷神は顔を見合わせると下界の様子に目をみはりました。

じわじわと小さな島の緑がなくなってきていたのです。
そして、土モノたちの姿も見えなくなっているのに
ふたりは気づきました。

「あいつらは変神の遺産だ。」

「この島を活気づかせたやつらを守らにゃならん。」

ふたりは大あわてで島に降りていきました。




じりじりと焼けつく陽気に小さな島の緑は消えて、砂漠のように
なっておりました。風神と雷神はあせって土モノを探しました。

「みんな・・ひからびちまったのか?!」
雷神はくやしそうに言いました。



「いや、まてよ・・・」
風神がなにか思い出したようです。
「この間の台風のときに・・・」
「土モノたちに教えた大きな洞穴があったはずだ!」





ふたりが暑さにこらえながら、洞穴にたどり着くと・・・

ージンサマー!  ライジンサマー!!」
土モノたちが声をそろえて叫びました。

おっ!  無事か!?」

風神はホッとしましたが・・・・・
土モノの数が足りないことにすぐ気づきました。

「もしや・・あの小さいやつは・・だめだったのか。」


うさぎよりも小さな土モノはひからびるのが速かったのでした。



このままでは、この島は暑さで全滅してしまうかもしれません。

・・海の水も煮えたぎり、地獄の釜のようになってしまいました。

もし、土モノが海に落ちれば、どろどろに溶けてしまうでしょう。


「くそうっ! ・・何もうつ手はないのか!!」
 
怒りんぼの雷神の口がゆがみました。





 ざあぁぁぁぁ・・・
波の音がひときわ大きくこだましました。


すると、海のほうからなつかしい声が聞こえてきました。

お〜〜〜〜い〜! みんな〜こじゃあ〜〜?!」


〈・・つづく・・〉

 


(あとがき)

記録的な炎夏といわれたこのごろを予期したわけでも
ないのですが・・ネタがかぶりすぎなのが気になって
また今度にしようと思いつつ、やっぱし今やっとこ♪


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