あるところに大きなどんぶりと小さなこばちがおった。
どんぶりは自慢しながら、自分に入れられた料理を汗だくになって支えておった。
小ばちは、そんなどんぶりをうらやんでおったが、ささやかでもキレイに飾られた
自分の料理に誇りをもっておった。                     
そんなある日のことじゃった・・・・
うっかり者のお客が、どんぶりと小ばちを落としてしまったんじゃ。  
あわれなどんぶりは三つに砕けたが、小ばちはすりキズで済んだんじゃ。
お客は申しわけなさそうに店の主人の顔色をうかがっておった。    

「弁償なら、いいですよ。お客さん。どんぶりは安物なんで小ばちさえ無事なら。」

このとき初めて、小ばちは自分の値うちを知ったということじゃ。      
うつわは大きいにこしたことはないのじゃが、こんなこともあるんじゃのう。 


(あとがき)

自分の才能に疑問をもったことはないでしょうか。 
でも、あくまで他人が決めるモノサシなんですから 
好きでやっていることには自信を持ちたいものです。

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